講話録

成果へのこだわりを捨てる

なりたい自分に向かって努力することや、手に入れたいものを目指して努力することは、楽しいことです。

変わっていく自分、足りないものを補って満ちていく自分に、人は興奮を覚えます。

しかし、その過程が楽しければ楽しいほど、その結果や成果を自分のものだと勘違いして、驕ってしまうことがあります。

そして、その成果にこだわるのです。

「自分が努力して手に入れた成果なのだから、それは自分のもの」と、あなたは思うかもしれません。

はたしてそうでしょうか。

あなたは、宇宙の創造の源から分かれた個人の魂からのエネルギーで生かされています。

あなたが考えられるのも、体を動かせるのも、その力が働いているからです。

そのことを忘れ、自分がやった、自分が手に入れたと思い込むと、本質からどんどん離れてしまいます。

たとえば、あなたの努力が認められ、マネージャーに昇格したとします。

あなたは思うでしょう。

「私はマネージャーなのだ。マネージャーは私のポストなのだ」

そして、あなたはそれを評価し、大切に思い、いつのまにか執着していきます。

ところがそんなとき、ちょっとしたミスを犯し、降格したとしましょう。

あなたは「マネージャーではない自分」を自分として認められず、苦しむのです。

マネージャーだった過去の自分に執着し、現状を否定してもがきます。

しかし、あなたが執着している過去のポストは、源の力があって、あなたの心身が働いたことによる成果なのです。

また、たとえば、部屋を掃除してきれいに片づいたという成果も、それに対するこだわりも、誰かが部屋を使って散らかれば消えてしまいます。

成果は変化するもので、その場限りのものです。

成果を自分のものだと思い込み、こだわり、失うことを恐れ、失って苦しむのは愚かなことです。

最初は、こだわりを捨てたり、欲望を手放したりすることを怖いと感じるかもしれません。

「成長できなくなるのではないだろうか」「何かが停滞するのではないだろうか」「貧乏になるのではないか」。

いろいろな不安がよぎるでしょう、けれども、心配いりません。

あなたは心を浄化し、本当の自分と出会うことで、もっと豊かになることができるのです。

憎しみの人が愛の人になり、怒りの人が許しの人となり、無知の人が知恵の人となります。

外側からものを必要以上に集めることの虚しさを知り、常に心の飢えと闘う人生に決別し、内側から満ちる幸せを感じましょう。

〜ヨグマタ

ヒマラヤ大聖者のマインドフルネス(幻冬舎)より

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